B2Bビジネスを加速させる「E卸」

B2Bビジネスを加速させる「E卸」

2023年、少しずつリアルでの買い物体験が戻ってきました。リアルでの買い物体験はやはりオンラインには変え難いもの。デジタルでは味わえない興奮があるのも事実ですよね。

一方でデジタル上を主戦場にしてきたブランドにとってリアルに挑むのは費用対効果も含めなかなか予測しづらく、踏み出しづらいのも事実です。D2Cと呼ばれるブランドの形やインターネット専売のブランドが増え、SNSの活用が当たり前になればなるほど、デジタル上での戦いは熾烈を極め、お客様へのアプローチは日々困難を極めているといえます。

そんな中で、USではShopifyを活用したB2Bビジネスの形とアドバンスドドロップシッピングとも呼ぶべき仕組みが広がりを見せています。

https://www.shopify.com/collective/retailer

今回はその流れと、今後日本でも広がりを見せるであろう「E卸」(オンライン上での卸販売)について、解説したいと思います。

Shopifyも本腰を入れる、ブランド側が求めるB2B

ECの新たな領域として注目されているB2B。単なる卸売から進化して、グローバルを視野に入れた信頼性と単価の高い顧客への継続的な販路としての側面が生まれています。こちらの資料は2023年6月15日にApp Unity / Shopify Plus共同で開催したセミナー『Shopify Plus で実現する卸・B2B ECの全方位最適化〜受注、物流、決済のDX〜』で公開された資料から抜粋していますが、D2Cブランドに支持されるShopifyが、D2Cブランドの成長とステップに合わせてB2Bの仕組みをアップデートしていることがわかります。

 B2B取引及びE卸のメリット

 一般的なB2Bや卸の場合、よほど力関係が強いブランドにならない限りは「誰に取り扱ってもらうか」よりも「取り扱ってもらえるか」を重要視します。これはビジネス上至極当然ではあるのですが、デジタルを活用したE卸の場合はそもそものチャネルがダイレクトなので、コントローラブルに進めることが可能です。改めてデジタルを軸としたB2B取引及びE卸のメリットについて、まとめてみたいと思います。

  • 効率性: オンラインプラットフォームを使用することで、注文、在庫管理、請求書発行などのプロセスが自動化され、効率的になります。
  • 市場拡大: 地理的制約を超えて広い顧客層をターゲットにすることが可能です。
  • データ駆動の意思決定: プラットフォーム上での取引データを活用して、需要の予測、在庫管理、価格設定などの意思決定をサポートします。
  • 透明性: すべての取引履歴やコミュニケーションが記録されるため、問題解決や業務改善のためのデータが手元にあります。

このように、B2Bにおけるデジタル化への期待は高まっており、B2Cビジネスを展開してきた企業が新たに取り組む良い機会でもあります。

デジタル時代のB2BとE卸

卸売業やB2B業界は、伝統的にオフライン取引に軸足を置いてきました。しかし、コロナを経てEコマース・プラットフォームへの移行が急速に進んでいると言えます。在庫の一元化、即時の注文処理、グローバルな展開など、その利点は多岐に渡りますが、一番の大きな要因はD2Cというビジネスモデルの拡大と限界への到達、そこからの卸売業やB2B業界への新たな技術革新への期待でしょう。Forrester Researchによると、B2Bのeコマース取引は2023年までに1兆8,000億ドルに達し、米国だけでもB2B売上全体の17%を占めると予測されています。デジタル化された卸売やB2Bには下記のようなメリットがあります。

パーソナライゼーション: ユーザーの好みに合わせたショッピング体験の提供
データ分析: 将来の販売戦略のための貴重な消費者データの収集

テクノロジーを活用した体験向上

お買い物体験のカスタマイズと貴重な消費者データの活用は、現代のEコマースの柱となっています。また、ARやVRのような技術は、バーチャルな家具の配置から商品のシミュレーションまで、没入型の商品体験を提供しています。さらには、IoTのリアルタイム追跡機能が出荷や在庫管理に革命をもたらすと期待されています。

こうした技術の飛躍にもかかわらず、顧客関係管理(CRM)ツールを筆頭に、顧客との関係構築はB2Bセールスの中心要素であり続けています。

営業プロセスを再定義する

人工知能は、予測分析、自動化されたタスク、チャットボットとのエンゲージメントを通じて、B2C、D2C、B2B全体の営業プロセスを再定義する態勢を整えています。さらに、透明性とトレーサビリティを約束するブロックチェーンは、サプライチェーン管理に革命をもたらす可能性を秘めています。

  • 予測分析を用いて顧客のニーズを予測する。
  • 定型業務を自動化し、効率を高める。
  • チャットボットサービスを提供し、顧客エンゲージメントを向上させる。

 また、分散型台帳システムであるブロックチェーンは、トレーサビリティと透明性を約束し、サプライチェーン管理に革命をもたらすと言われています。B2Bビジネスはブロックチェーンを活用して、取引の認証と合理化を図ることができると想定され、B2C以上に大きな恩恵を得られる可能性があります。

モバイルプラットフォームの役割の増大

モバイル・コマースはB2Cに限ったことではなくなりました。B2Bのバイヤー、特にミレニアル世代以降は、ビジネス・トランザクションにモバイル・デバイスを好むと言われています。グーグルによると、B2B顧客の42%が購入プロセスでモバイル端末を使用しているのです。

そのほか、セキュリティ面での対策もとても重要になってきます。この辺りも、既存のB2C、D2C向けのSaaSサービスのノウハウが役に立つでしょう。

 一方で、デメリットもあります。卸売やB2B領域はその特性からトラディショナルな取引に依存しがちな場面もあり、商習慣に適合した帳票出力などが必須になる場合もあります。そういった場合は、対応しているツールを選定する、別途機能を開発するなどの対応が必要になります。しかしそれらを差し引いても、これからの卸売およびB2Bにおけるオンライン販売は、テクノロジーの導入やビジネスモデルの進化により、顧客重視へと軸足を移し始めていることは間違いありません。これらのトレンドを予測し、自社の戦略に組み込んだ企業は、特定の顧客ニーズに合わせてサービスや製品をアジャストすることで、エンゲージメントとロイヤルティを高めることができ、競争優位に立つことができると言えるでしょう。

研究開発への投資やハイテク新興企業とのパートナーシップを結ぶことは、イノベーションを促進する可能性があるのです。


B2B及びE卸の未来は、このようにテクノロジーの活用や適切なリレーションシップを取ることで持続可能なブランドをつくることにも繋がっていきます。重要なのは、俊敏性、革新性、そして絶えず変化する顧客ニーズを的確に捉えて、これらの複雑な課題を乗り切ることだといえます。 ぜひこの機会にB2B取引及びE卸をShopify Plusでチャレンジしてみませんか?

 

ご検討の際にはぜひFRACTAにお気軽にご相談ください!