つぐもりの循環ができるまで(序章)

つぐもりの循環ができるまで(序章)

こんにちは、CSV局のナルトンです。
本記事ではFRACTAがブランディング支援を行い、2023年7月7日にカフェ&宿泊施設をオープンした「つぐもり」プロジェクトのキックオフからローンチまでを全5回に分けてお届けしたいと思います。

FRACTAでは、これまであまり実績のなかった”場”のブランディング。序章となる今回は、つぐもりとFRACTAがどのように出会い、プロジェクト発足に至ったかをお伝えしていきます。

基礎情報

クライアント:A.Y.Judie
サイトタイプ:ブランドサイト兼ECサイト
プロジェクト期間:6ヶ月
2023年7月、カフェと宿泊棟からなるTSUGUMORI(つぐもり)としてスタート | つぐもり 公式サイト

■FRACTA スコープ
ビジネスプロデュース:坂野
ディレクション:米田・齊藤・岡田
プランニング:眞喜志
アートディレクション・デザイン:横井
Webデザイン:土田

忘れられない風景を、つぐもりとして残したい

長野県に生まれ、その景色に魅了されたという会長の土屋順子氏(以下、順子氏)。
順子氏は、都会での暮らしを経てもなお「長野での景色が忘れられない」「あの景色を独り占めにしてはいけない」と長年感じていました。

2018年、自宅の建設によって山林の樹木を伐採伐根したことに「せめて一部の樹木を残したいと言えていたら…」とずっと後悔していたそうです。

そして2019年秋、順子氏は長野で土地を購入できる機会に巡り合います。
樹木を残し、この土地が美しい公園のようになったら、訪れる人はもちろん通る人にも癒しを感じてもらえるのでは、とこれまで抱いてきた思いと重なったのです。

コロナ禍も重なり、土地を購入して1年が経った頃、昔抱いていた夢-人々が集まる憩いの場を作ること-を思い出しました。

人々が集い癒しを提供し、そしてその自然とともに自分自身と向き合うことができる循環型のコミュニティをつくりたい。そのような順子氏の思いから、土地を生かした事業を検討した中で、まずはカフェや宿泊施設を始めることになりました。

自分の力で何かを始めたり、実行したりするのが好きだった順子氏ですが、施設立ち上げに関しては、わからないことばかり。古くからの友人や周辺地域の皆さんの協力のもと、整備作業が開始。
そして2022年6月、FRACTAのブランディング支援がスタートしました。

「A.Y.Judie」から「つぐもり」へ

順子氏、そして社長の土屋香南子氏(以下、香南子氏)が運営する、上質なオフィス小物やファッション雑貨を提供するアパレルブランド「A.Y.Judie」。
FRACTAは昨年、A.Y.JudieのブランディングからECサイト構築までのトータルサポートに携わりました。
実績紹介は
こちら

では、そもそもなぜFRACTAに依頼しようと思ったのでしょうか。そして、A.Y.Judieからつぐもりプロジェクトに継続してご依頼いただいたきっかけをお二人にお伺いしてみました。

香南子氏:以前は、A.Y.Judieの商品をモールECで販売していたんです。ですが、モールECではなく自社サイトでの販売強化ができないか、と社内で検討を進めていました。そのような背景から、自分自身が良いなと思うブランドサイトやSNSをたくさんチェックしていく中で、FRACTAさんの実績が目に留まって。好きなブランドさんが多かったんです。

実際にプロジェクトを進行していく中で感じたのは、プランナーさんの力、ヒアリングのすごさでした。自分たちが思っていることを、どう伝えていくのが良いか言語化してくれましたね。そこからビジュアルへの落とし込みもすごく丁寧にしていただきましたし、一番は自走できる体制にしてくれたことかなと思います。

今回、つぐもりに対する思いはたくさんありましたが、そこからどう伝えるか・どうビジュアル化してお客様に届けるかというベースがありませんでした。A.Y.Judieのプロジェクトを支援していただいたことから、FRACTAさんに引き続きご依頼したのは、自分の中でとても自然な選択だと思っています。

順子氏:中小企業は人材面・制作面ともにデジタル(ECサイトやHP)に対してお金をかけにくいという側面があったりします。特に私の場合、Webに対して知見があるわけではないので、どのように関わるべきかというのは他社をみつつ参考にしていました。ものづくりへのこだわりは沢山あったのですが、世の中に発信するためにどういった役割を持たせるべきか、ずっと考えていましたね。

香南子さんからFRACTAを提案してもらったときは、正直高いなと思ってました(笑)比べて当時見ていた他社は、どれもすぐ簡単に、早く作れますというのを打ち出していた気がします。高いものがいいというわけではないのですが、じっくりとお互いが納得する形でプロジェクトを進行していく、というFRACTAさんへの価値を感じることは確かだったので、依頼をさせていただきました。コロナ禍でD2Cの必要性を感じていたところだったので、タイミングもよかったですね。

まとめ

A.Y.Judieのプロジェクト支援をきっかけに、改めてご依頼いただいたことで繋がったつぐもりプロジェクト。順子氏の熱意をかたちにする私たちFRACTAメンバーもまた、つぐもりの循環の中にいるのかもしれません。

広大な土地と、順子氏のつぐもりに懸ける明確な思いとともにスタートした取り組みは、協力者を増やしながら徐々にその輪を広げています。FRACTAはその輪の中で、主にブランドビジネスとしての全体最適を前提に、ビジョンの言語化からデジタルコミュニケーション設計などを担っていきます。

次回は、つぐもりプロジェクトのキックオフから、ブランド戦略策定、コンセプトやロゴの決定までのプロセスについてお伝えしていきたいと思います。

第1章▶︎つぐもりの循環ができるまで(第1章)