【イベントレポート】原点に立ち戻れる文章とサイト構成 &FRACTA #002(前編)

【イベントレポート】原点に立ち戻れる文章とサイト構成 &FRACTA #002(前編)

こんにちは。FRACTA 広報チームの佐藤です。
本記事では、先日実施した、東レグループの新規社内ベンチャーとして立ち上がった先端素材による未来のファッションの創造を目指すプロジェクトMOONRAKERS®さんとの対談イベントの様子を前編と後編に分けてお届けします。

ゲストとしてお呼びしたのは、ディプロモード株式会社・第一事業部部長の西田誠さん。BtoB企業である東レグループが、もっと消費者の声やニーズを集めてBtoBビジネスにも活かそうということでスタートした「MOONRAKERS®︎」の、2020年立ち上げから現在に至るまで一貫して携わっていらっしゃいます。
立ち上げ当初はクラウドファンディングなどを活用したテストマーケティング的な要素のあるプロジェクトでしたが、段々と新しい地平が開いていったそうです。
MOONRAKERS®︎はどのように変化していったのか。また、変化の途次でFRACTAはどういった支援をさせていただいたのか。プロジェクトに関わったFRACTAプランナーの小山内さん&ディレクターの下妻さんと共にお話ししました。

FRACTAでは2021年8月から2022年2月にかけて、MOONRAKERS®︎(以下ムーンレイカーズ)の未来を見据えたオンライン・オフラインの両面から支援させていただきました。

https://fracta.co.jp/blogs/works/moonrakers

トークの前半のテーマは、FRACTAとのプロジェクトについてです。

自分たちのやるべきことがブレずに見えてくる

ーFRACTAとのプロジェクトのポイントの一つである「ムーンレイカーズの世界観の整理」という点で、どういった支援をされたのでしょう?

小山内:ムーンレイカーズさんの各商品を説明する際に、プロダクトストーリーとプロダクトテクノロジーという2面に分けて表現しました。普段であればブランドさんの持つ価値を、市場や生活者が抱えている悩み等と照らし合わせ「顧客に伝わる本当の強み」を探るのですが、ムーンレイカーズさんの場合はそれが多すぎたのです。全ての世界観も機能もこれまでの常識外にあるなと思って。なので、情報を削ったり減らしたりするのではなく、どういう仕組みでこの魅力の全てを語ろうかと考えました。

STORYとTECHNOLOGYを分けて表現

ストーリー部分が小説風で特徴的ですね。

小山内:これは小山内の個人的な考えでもあるのですが、「読んでもらえる」文章を書こうと思い小説フォーマットを採用しました。例えば今の時代、Webを開くと綺麗な文章が書かれていて、商品を買って届いた箱や同梱される冊子にも綺麗な文章が書かれていて、素晴らしいのですが、ちょっと読むのに疲れちゃうのでは?と日頃思っていました。だからせめて商品の世界観だけは、説明的ではない、勝手に読み進めてしまうようなフォーマットって何だろうと考えたんです。じゃあ、「雨の日も安心」というメリットも、物語にしてしまおうという発想です。

西田:提案いただいたときのことをよく覚えているのですが、僕以外のメンバーは「なんだこれ」みたいな反応で、僕だけすごく喜んでいました(笑)。めちゃくちゃ良いじゃんと。今冷静になって何が良かったのだろうと考えると、うちってどうしても技術自慢な表現になりがちなんですよね。「これすごいでしょう」「こんな素材でこんな機能がついてるんですよ」みたいな、メーカーあるあるな話なんですけど。生活者の皆さんを置き去りにせず、どうやって良さを伝えたら良いのだろうという葛藤はずっとありました。
小山内さんのストーリーの文章は、生活のシーンが浮かんでくるんですよね。「ムーンレイカーズの商品があったら、こんな快適で豊かで美しい生活が得られるんですよ」と、商品によって生まれる新たなライフスタイルがこの文章の中で端的に表れているなと感じました。僕たちにとっても、間違った道に入り込みそうになったときに、原点に立ち戻れる文章なので、そういう意味でも好きだと思ったんじゃないかなと思います。

ーこうしたECサイトでの見せ方について、他にどんなポイントがありますか?

下妻:ストーリーとテクノロジーに分けることは表現や構成としても強めの縛りだと思うのですが、良い縛りになっているのかなと思っています。今後新しい生地や商品が出てくると語りたいこともたくさん出てくると思うのですが、こうした縛りによって、機能面と情緒面それぞれでちゃんと伝えるべきことは伝えるというところに寄与しているのかなと。
機能的な部分と情緒的な部分を同居させると、お互いの良さを食いあってしまうリスクが生まれてしまうこともありますし。ムーンレイカーズさんの場合、自社で開発している生地だからこそ伝えたいところのポイントがわかっており、それを活かす構成にできたのかなと思います。

西田:他のサイトを見たとき、商品が並んでいて、詳細ページに行ったら商品の説明がコンパクトにまとまっている構成のところが多いので、最初この見せ方を提案いただいたときは正直違和感がありました。
でも、FRACTAさんから「ムーンレイカーズって通常のDtoCブランドじゃなくて、プラットフォーマーじゃないですかね」と言われて。最初は「そんな大仰な」と言下に否定した部分もあったのですが、現在は色んなところと協業して、ある意味プラットフォーマーに近いところがあるんですよね。僕たちも想像しなかったような動きって、最初のところでFRACTAさんに示唆されていたなと思います。
下妻さんが言った通り制約の多いページなので作るのが大変と言えば大変なんだけど、さっきのストーリーの話と一緒で、立ち返ると自分達のやるべきことがブレず見えてくるのかなという意味で良いサイトになったなと思います。

(後編に続く)

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