【FRACTA×FFG記念対談②】同じ家の一つ屋根の下にして、みんなでワイワイやろう(前編)

【FRACTA×FFG記念対談②】同じ家の一つ屋根の下にして、みんなでワイワイやろう(前編)

今回はリワイア社・代表取締役の岡田さんとの対談を前編と後編に分けてお届けします!

出会いは実は結構前。お恥ずかしい限り。

河野:というわけで!岡田さんは、先日のこの記事が印象的でしたね。

なので、僕が色々と話題を振っていきたいと思います。

岡田さん:一問一答形式で?

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Rewire 岡田さん


河野:いや、もっと気軽な感じで。


岡田さん:わかりました!


河野:本当、忖度なきよう。鬼の岡田さんを見せていただければ。

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FRACTA 河野


岡田さん:誤解なきよう先に申し上げておきますと、僕は鬼ではなくむしろ仏寄りですので。笑


河野:し、承知しました。笑
では早速、色々と話題を僕の方から振らせていただきたいと思います。
僕は、岡田さんと、土屋鞄の時に一回やりとりさせていただいてるんですよね?


岡田さん:そうですね。間接的にかもしれないですけど。僕がある会社の役員をやっていた時に、土屋鞄さんからお問合せがありまして。


河野:した気がする……


岡田さん:やりとりさせていただいた時に、何の文脈だったか忘れちゃったんですけど、土屋鞄さんに質問をさせていただいたんです。そしたら土屋鞄さんに送ったと思ったら、河野さんから返信が来て。
すごくざっくり言うと、こちらの質問力についてご指導いただいたという。笑


河野:うわあ……すみません……


岡田さん:それで、返信の内容を拝読すると、どう考えても河野さんがおっしゃっていることが正論なわけですよ。「おっしゃる通りです」と、ぐうの音も出ない。
実はそれ以前からFRACTAさんとは何度かお取引させていただいたことがあったので河野さんのお名前は当時から存じ上げてました。で、その返信を見て、「これは……」と。


河野:「やばいやつだ」と。


岡田さん:いやいや、逆。笑
なんというか、僭越ながら同じ匂いを感じました。「とりあえず、明るいノリでその場をやり過ごして前に進む」というやり方の人もいれば、「まずは、その場の論点をしっかり整理した上で前に進む」というタイプの人もいらっしゃって。河野さんは後者なんだなと感じました。

曖昧でもいいからとりあえず前に進めて、あとからどこかで火柱が上がっているみたいなことになるよりは、あらかじめ予想される悲劇を起きにくくするように進めていく方が、結果的にトータルのカロリーが少なくて済むよね、と。その時にメールを拝見してそう思って、河野さんのお名前はすごく印象に残ってました。


河野:ありがとうございます。お恥ずかしい。


岡田さん:今回、Rewireを1年ちょっと前に作って、その前からShopifyを少しずつ勉強するようになって、また改めてFRACTAさんや河野さんのお名前が出てきて、「あれ、あの時の河野さんだよな?」と思い出して。1年後の現在にこういう関係になったというのはなんだか不思議だなって思いながら話してます。


河野:そうですよね。不思議なご縁で。お恥ずかしい限りで。


岡田さん:さっきからどこにも恥ずかしがるポイントがないですよ。笑


河野:あの時の僕は、ちょっといっぱいいっぱいでして。今もいっぱいいっぱいですけど。


岡田さん:それで言うと、僕なんかもう、溢れだしちゃってて、どうしようもないです。


河野:岡田さん、色んな会社さんの顧問だったりをやられてるじゃないですか。世に言う、パラレルワークというか。どれぐらい前からそういった形でやられてたんですか?


岡田さん:そうですね。最初に副業というか、複線……パラレルでやり始めたのは、ずっと前のGoogleにいたときです。あまり人には話さないキャリアですが。NPOとかNGO、あるいは社会起業系の組織に対して、ヒトとお金を投資するというグローバルな機関がありまして。ソーシャルベンチャーパートナーズ(SVP)というのですが、シアトルに本体があって、世界で三十拠点かある、そこに所属していました。今はNPOなんですけど、当時は合同会社で。Googleに所属しながら、無給のSVPで並行して活動したのが最初です。最近だとパーパス経営などが以前より注目されるようになって、新卒が就職したい企業ランキングの上位に、結構有名なNPOが入ってくるのが日本でも徐々に当たり前になってきましたけど、当時はまだまだでした。

その頃はちょうど30歳くらいで、まだ結婚もしていないし、もちろん子どももいなかったので、土日がヒマ、っていうとあれですけど。笑 時間があったので何かやろうかな、と思って。

社会課題と一般に言われるような、単純な経済活動の延長でカバーできないような課題に対して、何かしらの支援をする、というところの可能性を知って。その支援に自分のスキルが多少でも役に立つのならと思って、週末や終業後の時間を使って、いろんな組織のお手伝いをしていました。それがその後に転職するアタラでも「やる前提でいいよ」と言われてて、そのまま続けていました。

アタラの役員である傍らで、アナグラムの阿部さんから声をかけられて社外役員になったり。あとは、NPOの延長で理事になってくれとか、そういうのは時折出てくるので、そんなことをしている間に、社外取締役とか相談役とか監査役みたいなタイトルが妙につきだして。あまり数えてはいないですけど、そういうのを幾つかやっていました。

今の状態になったのは、アタラの役員を退任して、自分の会社を作ろうと考えて行動に移した2017年。実際には2018年から事業を開始したんですけど。最初は、1人で細々とやろうかなと考えていたんですが、阿部さんからお誘いいただいて常勤役員になって、塚田さんからも「IPOするから監査等委員になって」とお誘いいただいて……そうこうしている間に、M&Aになって今に至るという感じです。

フィードフォースのマスターヨーダ

河野:アナグラムさんとフィードフォースさんが一緒になる前から、岡田さんは、それぞれ阿部さんや塚田さんとお付き合いがあったんですか?


岡田さん:そうですね。阿部さんとはもう長い。GoogleにいたときにSEM-LABOで有名な阿部さんが起業するのを知って、何かのタイミングでご飯誘われてからもう10年ぐらいの付き合いで。塚田さんは、アタラの時にデータフィードの絡みで一緒にイベントや書籍を出させてもらって。だから、M&Aのときは2社の仲人みたいな感じでした。

せっかく河野さんにインタビューしていただいているのでもうちょっと踏み込んで話しますと、アナグラムが、少し前のFRACTAさんの状態に近かった時があったんですよ。人数が40〜50人とかになってきて、「我々は中小企業なのか、それともその先に行くのか、どっちなんだ」という分岐点。目標という意味でもそうだし、経営という意味でもそう。特に広告の場合は、お金を結構大胆に回さなきゃいけないんですよね。毎月、何億と回さないといけないから、どうしてもキャッシュの調達というのが大事になってくる。ただ、デットファイナンスだけではどこかで限界が来てしまうんですよね。10億ぐらいを超えてくると。これ以上借りるの大変だな……となってきて。PLはバッチリなのにCFでコケるのはつらい。それでエクイティを考え始めるわけですけど。

僕は株式公開を20代に経験していて、それであんまりいい思い出がなくて。笑 向いてる向いてないも、何となくわかってて。それで、アナグラムは単独でIPOするのは向いてないなと思っていたんです。そうは言っても「じゃあどうするんですか、お金ないですよ」って話になりますよね。仕方ないから他の道を模索していると、いろんな話が舞い込んでくるんです。中にはやばいのもあって、そっちに傾きかけたこともありました。「これやばいな。何とかせねばいかん」と。そんなをしていたら、阿部さんが突然「ひらめいた」と言い出して。「フィードフォースはどうですか」って。

河野:ここで!

岡田さん:僕としたら、灯台下暗しです。笑 「じゃあ塚田さんと話をしてみるよ」と言って、すぐに塚田さんと話をして、ああでもないこうでもないと三者会談をいっぱいやりながら。僕は両社とも知ってたんで、何となくカルチャーは合うかなって思っていたんですよね。そしてフィードフォースはフィードフォースで、上場で得た資金というか、いろんなものをただ眠らせておくんじゃなくてどう活用するんだ、というのをしっかり考える必要があって。そんな時に最初の案として、いきなりアナグラムというビッグディールが出てきたので、それはそれで面白いかな、フィットするかもなと。事業規模としてはアナグラムのほうが大きいので常識的にはおかしな話なのですが、これぐらいぶっ飛ばさないと未来は拓けないし、とりあえずやろうという感じでした。というわけで、僕の最初の1年はM&A的な調整ばかりやっていた気がしますね。

河野:衝撃です。その2社の仲人は、岡田さんだったんですね。

岡田さん:そうですね。ちょうど、その頃のエピソードを丁寧にFerretさんに拾っていただいた塚田さんと阿部さんのインタビュー記事がありまして。このインタビュー、普通に面白いのでお時間あればぜひ読んでみてください。

河野:読みました、僕、これ。


岡田さん:本当ですか。


河野:岡田さん、謎のマフィアみたいな扱いになってますね。


岡田さん:そうですね。明らかに、黒幕っぽい扱いに。笑


河野:「マスターヨーダ」になってます。


岡田さん:スターウォーズ、そんなに詳しくないんですけど。笑

記事に書いてあることそのままですけど、塚田さんと阿部さんの両方と、どっちの会社のこともある程度知っていて。阿部さんがというか、アナグラムがどっちの方向に行くんだっていう話と、塚田さんのフィードフォースがIPOの後にどういう方向に行くのかというところが、2019年の段階では両社ともまだ霧がかかってたんですよね。それで2社くっつけたら、広い道路になるから、そうしたらもうちょっと目印があって進みやすいんじゃないかという感じで。だから、本当にご縁というかタイミングですね。

あ、あとその前に、まさにこの記事にも書いてありますけど、ちょっと阿部さんに物申した瞬間があって。変な方向に進みそうだったんですよ。

記事の中の「でもあるとき、岡田さんが『阿部さんがこれやるなら、俺辞めるよ』と言ってくれたことがあって」という話がそれなんですけど。「そっちに行くんだったら、絶対役員やらないから。辞めるから」と言って、本当に辞める直前までいったんですよ。笑 「来週で最後だ」みたいなところまでいったんですけど、急に阿部さんが帰ってきたんです。

河野:ダークサイドから。

岡田さん:そうそう。ダークサイドから、急にジェダイに変わってですね、「阿部さん、帰ってきたの?」って言ったら、「いや、岡田さんの言うように、どうやらあっちじゃないと思う」って。あそこまで行って帰ってこれるこの人はすごいなと。で、そのあとに塚田さんの話が出てきたという感じです。ジェダイの帰還。


河野:詳しいじゃないですか。笑

ちなみに、岡田さんがアナグラムさんの役員に入られているのが、僕、最初フィードフォースさんからなのかな?と思ってたんですよ。


岡田さん:どっちかというと、アナグラムの方が先ですね。


河野:ですよね。面白い。フィードフォースグループ(以下、FFG)って、今年大きく体制が変わったじゃないですか。あの前段ってどうだったんだろうって、ずっとそのストーリーを知りたかったのですが、まさしく御三方の話がすべての始まりだったのですね。


岡田さん:そういうことになるんですかね。アナグラムの話があったのと同時に、塚田さんには以前からグループ経営構想があって、早めにホールディングス化したいって言ってまして。

世の中の経営者って、たくさんの事業というか、サービスを出してきて、もちろん当てるつもりでやるじゃないですか。当てるつもりでやるんだけど、どうしても勝率は100%にはならないですよね。野球の打率どころか、宝くじの当選率みたいな世界でやっている。みんな成功する未来を信じて頑張るんですけど、残念ながら現実はそうじゃない。

もちろん様々な努力と戦略で、勝率は多少上げられるかもしれないけど、100戦100勝は無理ということは厳然たる事実としてある。そういうある種クールな現状認識を持って、事業に臨まないダメだよ、と。プロダクトライフサイクルじゃないですけど、上手くいくときもあれば、必ず衰退する時があります。同じものがずっと発展するわけじゃないから、そういった新陳代謝を経営の中に組み込んで健全に行うには、一社一事業でやってたら辛いじゃないか、ということを塚田さんはフィードフォースを経営されてきた中で感じてたんだと思います。

だから、それを上手くやるにはグループ化して、そこにたくさんの組織があって、たくさんの経営者がいて、その中で上手くいくところもあれば、上手くいかないところもあって。そこから学びを得たり、「もうダメだから解散」とか「もうやってられないから転職」とかじゃなくて、そこで得た知見を別の事業でフィードバックできたりとか、あるいは別の場所で活躍できるようにするとか。そういった、小さな生態系を会社の中で作るには、どうすればいいかと考えたときに、単位をなるべく小さく作って、それが双方で連携している状態がいいよねと。それにはグループ化が一番いいんじゃないかという話をして。持株制にして、子会社のぶんだけたくさん社長が生まれるし。役員とかマネージャーとか、成功や失敗という経験がたくさん生まれるので。そういうやり方が結果的に豊かに働ける可能性が高いんじゃないかと、そんなことを話していて。

そんな思いの中で、一番最初に、アナグラムが手を上げてくれた。これはすごいメッセージだし、これを意味的に成立させるには、ホールディングス化した方がいいんで、やろうと。ホールディングス化できれば、新しい会社を作ろうが、M&Aしようが、ちゃんとその生態系にはまるように動けるでしょ、という。言い方を変えれば、生態系にはまる会社とやろうよ、あるいは作ろうよ、っていう話になるわけだから、我々はそういうのでいこうという話です。

だからFRACTAさんも、河野さんとして色々お話をさせて頂いて、Shopifyだったり、Eコマースだったり、ブランディングだったり、あるいはリテールっていう、少々大きなワードでも、これからはしっかりアセットとして揃うようになるし、お話ししていても、皆さん一緒にやれそうだなって感じのする方ばかりなので。であれば、カルチャラルフィットと、事業のシナジーっていう両軸をちゃんと示すには、「親子」の関係ではなくてみんな並列である必要がある、ゆえに持株会社制に移行みたいな。さっきから同じことばっかり言ってますけど。

(後編に続く)

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