FRACTA「ブランディングフォーマット」を解説してみた! Vol.4 「市場・価値」編

FRACTA「ブランディングフォーマット」を解説してみた! Vol.4 「市場・価値」編

FRACTAのプロジェクトで出番の多い「ブランディングフォーマット」。(Lightning Polarisという名前で呼ばれることもあります)

FRACTAのクライアントの皆さまにご記入いただくことも多く、ご質問いただく機会も増えたので、遅ればせながら解説を書いていこうと思いたちました。
FRACTAで、主に社内向けにブランディング関連のサポートやツール開発、研究などを行っている2名の筆者がお届け!今回が最終回です・・!

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こんにちは!松岡&花輪です。この記事は、

 ・松岡
どうしてもお堅い説明になってしまうキャラが、わかりやすい説明をしようと試みるとこうなる。ブランディングフォーマット作者。
・花輪
難しいことが苦手キャラが、大好きな”食”をベースに価値(WHAT)を説明してみるとこうなる。

という感じで、2名それぞれの視点から、デフォルトの解説文には入りきらなかった解説を改めて考え、対談形式で書いていく記事です。

ブランディングフォーマットは無料配布しているので、よろしければお使いください。

▼ブランディングフォーマットのDLはこちら!

・シート

・ガイド

■ 「市場・顧客」エリアについて

花輪:ブランディングフォーマットの解説の最終回ですね。。
第4回は、市場・顧客エリアを解説していきます。最後には松岡さんから「ブランディングフォーマットの使い方(意図)」についてもお話しいただいていますので、ぜひ最後までご覧ください!

花輪:早速ですが「市場・顧客」のエリア、花輪は前々から1点気になっていたことがありまして・・!

松岡:ぬ??なんでしょう!

花輪:思想や価値エリアでは、自分をブランド(事業)の地中へ潜り込ませて、潜在的な要素を可視化する印象があったのですが、市場・顧客エリアは、ブランドの地中から顔を出し、地上から周りを見渡して考えるような印象を受けました。
”市場”という言葉が、自分たちの深堀とは別の視点をこのエリアに与えていますよね。「市場・顧客」エリアに取り組む際は、他のエリアを考える時に比べて、自分の視点位置を少し変えたほうがいいのでしょうか?

松岡:あ、いい気づきですね!確かに、他のエリアと視点がちょっと違いますね!セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)では俯瞰的な視点ですし、「顧客の価値観」では相手(顧客)から自分たちを見るという視点です。
そういえば「価値」エリアの「独自性」や「愛着要素」「自己実現価値」といったところも、どちらかというと顧客が主体の視点になりますかね。
ついでに言ってしまうと、「社会的価値」は社会全体からの視点、「差別化要素」は競合の視点もちょっと入ってきますね。

視点の違いは正直無意識でしたが、様々な視点から多角的に見なければという意識がこういうところに現れているように思います。最後は自分たちの視点に戻るけれども、できるだけいろんな視点から自分たちのブランドを見て、「選ばれるか?」「生き残れるか?」を検討できるといいですよね!

価値エリアを考える時のポイント
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP)
▶︎ 俯瞰的な視点で考える

顧客の価値観
▶︎ 相手(顧客)から自分たちを見る視点で考える

■ セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング

花輪:さて、早速ですが3つの項目をまとめてみていきましょう!
こちらは世に言う、STP分析(Wikipedia : STPマーケティング)の3つの項目ですね。

松岡:ふむ、これはそのリンク先のWikipediaを見ていただくのが一番良いですね...!リンクをはる、それがネットの記事のいいところ...!
STPというキーワードにあまり馴染みがないよという方はぜひリンク先を見ていただくとして、ここでは先に進めてしまいましょう!

■ 顧客の価値観

松岡:ん〜、何においてもバランスが大事なので、どれか一つに偏らない方が良いと思うのですが、それでもこの中で一番大事なものは何かと訊かれたら、私はこの「顧客の価値観」が実は一番なんじゃないかと思うんですよね...

花輪:そうなんですね!
確かに、この項目で"最も具体的なイメージ”が記述できていると、価値(WHAT)エリアや思想エリアを考える時にも、より鮮明にイメージが膨らみやすいように思いました!
松岡さんはどのような点でこの項目が"一番"大事と思われたのでしょうか・・?

松岡:人によって大事だと思う部分って違うと思うので、ここはすごい個人的感覚なんだろなと思うんですけど...やっぱり「相手ありき」だからですかねぇ。ブランドビジネスに限らずなんでもそうだと思うんですが、良い関係を築こうと思ったら相手の望むものを理解する必要があるじゃないですか。
どれだけ想いの詰まった商品であっても、素敵な商品であっても、相手の望むものでなかったら買ってもらったり、買い続けてはもらえないので...という単純な理由です。
あ、ちなみに私は価値観というのは、「望むもの」とか「こうありたいと思っていること」とほぼ同義で捉えています。語のイメージとしては「価値観」はどちらかというと静的で、「望むもの」は動的っぽいですけど...

花輪:なるほど・・!フラクタでは主に小売(BtoC)のお客さまのご支援させていただいていますが、その立場として「ブランドビジネス(商い)」の意識を持つことはどんな時も欠かせないですよね。
ビジネス(商い)をするからには、売上が立たなければ存続できませんし、売上を立てるには、自分たちのお客さんをより深く理解し、ブランドと離れがたい絆を構築していくことは重要ですよね。。

松岡:そうそう、解説でしたよね!ここで書くことのイメージとしてはですね...例えば他よりちょっと価格が高いが安全、といった食べ物ブランドの場合、

 顧客の価値観 例
「幸せは健康と結びついていると考えており、健康のためには良い食べ物は欠かせない要素と考えている。この人において良い食べ物とは安全な食べ物。だからちょっと高くても安全な食べ物を買う」

といったような感じのことが入るイメージです...文章長いですが...
ちなみに...話すと長くなりそうなので程々にしますが...私は「買う」という行動は「どう生きたいか」と直結していると思っています。
意識的にしろ無意識にしろ、人は根源的な欲求を基に買うものを選んでいる。ここで顧客の根源的欲求まで深く考えることができたら、顧客をがっちり掴むブランドに一歩近づくと思うんですよね。
ということで「人生において」という壮大なワードを入れています!

■最後に。
なぜブランディング フォーマットをこの形で作ったか

松岡:第一回目で背景や理由といったことをちらっと書いているので一部カブりがありますが、今回は「なんでこの形状なのか」を書こうと思います!ほんとうは第一回目でちゃんと書こうと思ってたんですが、なんだかすごく長くなりそうだったので、一番ボリュームの少なそうな最終回に回しちゃいました。

なぜブランディングフォーマットをこういう形状で作ったか:

①ブランドの全体像を見やすく、かつある程度細かくも見えるようにするため。(森と木を行ったり来たりしやすくするため)
自分たちのブランドを要素に分解し、それを一面で見れるようにすることで、ブランドの全体像をパッと捉えることも、その全体を構成する要素を見ることも、同時にしやすくなります。
そうすることで各要素同士のつながりが妥当なのか/つながっていないのか、各要素と全体像がつながっているのか/つながっていないのか、がチェックしやすくなります。ブランディングでは、ブランドの商品やストーリー、クリエイティブ、発信する情報などのすべてがリンクした一貫した世界を作り上げることが、そのブランドとお客様との信頼関係を結ぶ大きなファクターとなります。
そのため、ブランドを構成する各要素がきちんとつながっているのかをチェックすることは、とても重要だと考えて、こうしました。

②共有しやすくするため。
資料として作成したのち、例えば新しく入ったメンバーなど、ブランドの他のメンバーへブランドのことを伝えやすくするため。
どの項目も短い文章で表現するようになっているので、文章を埋めていく過程で凝縮された言葉となり、したがって新しく見る人に、各項目の「一番大事なところ」が伝わりやすくなります。

③ブランドのこまめな軌道修正やチェックをしやすくするため。
ブランドには、運営をしていく中で「変えるべきではないところ」と「変えてゆくべきところ」とがあります。このフォーマットは「変えるべきところ」を見つけやすくし、素早く修正することに役立ちます。俯瞰性に優れ、かつ短い文章で表現されているので、どの要素が現在の市場に合っていないのか、どの要素を今修正すれば良いのかを見つけやすく、したがってブランドの軌道修正や、現在の方向性が妥当かどうかをこまめにチェックしやすいという利点があります。
ちなみに...「変えるべきではないところ」について。現在お客様と繋がりを持てているところは「変えるべきではない」と私は考えます。ブランドによって異なり、あるブランドでは商品の一つの要素(例えば味や香り、使用感など)かもしれないですし、あるブランドではストーリーだったりするでしょう。

と、こんなところです!幸いにして、お客様やご利用いただいている方々からは、「この資料のおかげでブランドのメンバーへのブランド共有がしやすくなった」「項目を埋めていく過程で、ブランドへの理解が深まった」等々、ポジティブなフィードバックをいただいています。
一方、「横文字が多かったり知らない用語が多く、ハードルが高いように感じた」というお声をいただきもしました。また「どう言葉で表せば良いかわからず、自分だけでは埋めることができない」といったお声もあり、ちょっと難しいなと感じられる場合も多いようです。
しっかり考えることができ、かつ、できるだけ難しくないように項目や言葉は選んだつもりですが、まだまだ改善の余地がありそうなので、そのうちアップデートしたいなと思っています。

松岡:さて長々と語ったのでこの際、このシートをこの形で作ったきっかけも語らせてください。
私はもともと、フォーマットとかマニュアルといった類が好きではありませんでした。「こうやるべき!」と決めつけられるのが嫌いでしたし、またこうしてくださいと強制するのも嫌いでした。自由にやりたいし、やってほしい、だからブランディングを考えるときも、一回一回そのブランドの状況に合わせて、考える方法を考えればいいじゃん、それが楽しいんだし、と思っていました。
でも、プロジェクトを幾度も行い、社内のメンバーにブランディングのことを色々伝えようとするうちに、多くの場合、ある程度「型」みたいなものがないとどうすれば良いかわからないため進まず、逆に型があるとやりやすさが格段にアップするのだということがわかりました。資料のフォーマットとかって、あるとめっちゃ楽ですしね。
また私は、ブランディングは外部の人に依頼しやってもらうのではなく、そのブランドの人々自身によって行われることが最も良いやり方だと信じていますので、ブランドの人々自身がブランディングをできるその入り口として、ガイド的な要素を持った、なおかつ自分たちのブランドのことを深く考えることができるツールを作るべきだと思うようになりました。
その結果、元々自分が嫌いだったフォーマット状のシートをつくるに至る、というわけです。ちなみに私が自分でこのフォーマットを使う時は、やっぱり自由にやりたい欲がでて書ききれないので「※」を多用しがちになります...

...ね!!!とっても長かったですね。すみませんでした。読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

この「ブランディングフォーマット」は、その作成過程は自分の考えを変えるきっかけになり、みなさんに使っていただきフィードバックをいただくようになってからはより自信が持てるものになりました。
ですからより使いやすいものに改善していきたいですし、そのためのディスカッションもしたいなーと思っています!見た目もね...デザイナーさんにカッコよくしていただきたいですし...

FRACTA社内でも色々ツール開発を進めていますが、今回の記事みたく外部の方に公開できるものもそのうち作りたいですよね!

花輪:そうですね!!「ブランディングが必要なのかも?」と思い、情報収集されている方々にとって、なにか少しでも持ち帰っていただけることを今後もお届けできればと思います・・!

"FRACTA「ブランディングフォーマット」を解説してみた!" Vol.1〜Vol.4までお付き合いいただきありがとうございます!

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